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【仏教、来る】古墳時代・政治 ~後編~

ヤマト政権の揺らぎ

 

一応、連合政権はできたものの、日本史学上はまだ憲法も存在していないし、

組織って言っても、一族ごとに身分を与えてとりあえずで管理しただけやから、”ひずみ”が生まれてくる。

そんなヤマト政権の揺らぎを見ていこう。

 

大伴金村

 

名字を見てどんな身分の人か、パッとしない人は、【ヤマト政権の仕組み】古墳時代・政治 ~組織編~を読んでほしい。

大伴さんに与えられた『姓』は『大連』。

つまり、特殊な技能を持つ人たちを束ねる一族に与えられる『連』の中でも、特に有力な一族に与えられる身分。

ちなみに大伴さん一族は、代々軍事関連に秀でた一族やった。

軍事に強い一族って、どうしても発言力が強くなるよね。

アメリカでも国防省の発言力ってめちゃ強やん?

あれ、ドラマの見すぎかな…

 

継体天皇の擁立

 

ってなわけで、めちゃ強な発言力を持った一族に生まれた大伴金村さんは、その軍事力を背景に天皇を擁立。

つまり自分が”いいな~”って思う人を天皇に即位させてしまった。

なんという豪腕…

まあ誰でもいいってわけでもなくて、当然ちゃんと天皇家の血筋は守られてはいる。

とはいうものの、自分の意のままに天皇を立てるってすごいよな…

 

任那の一部を割譲

 

さらにさらに、そんな天皇を擁立してしまうような豪腕大伴さんは、外交の戦略として、任那の一部を百済に譲ってしまう。

任那っていうのは、伽耶と呼ばれる地域で、朝鮮半島にあった『弁韓』っていう小さな国々が集まる地域の別名。

新羅と敵対関係にあった当時のヤマト政権は、百済と良好な関係を維持するために朝鮮半島に確保していた鉄の重要な資源拠点を譲ることとなった。

 

…っていうのは建前。

 

実はこの大伴金村さん。

名字みたいな名前の金村さん。

建前では百済と仲良くするためとか言いつつ、裏では百済から賄賂を受け取ってて、その見返りとして任那の一部を譲ったらしい…

 

政治の私物化!!!!

自分が仲良くするためなのね…

まあ結局、そのことがバレて失脚するんやけど、それはまた後ほど。

 

ちなみに、『弁韓』『百済』『新羅』については、【ヤマト政権、興る】古墳時代・政治 ~前編~で確認してほしい。

 

磐井の乱

 

そんな政治を私物化されてしまうようなフワッフワな体制やから、ヤマト政権も一枚岩とはいかない。

ヤマト政権は元々、「争いやめようぜ~!」ってゆる~く平和的に成立した政権やから、当然「こんなやり方、気に食わね~!」って歯向かうやつも出てくる。

 

それが、磐井さん。

筑紫の国、今でいう福岡県あたりの『国造』、つまり”福岡県知事”的なポジションを与えられてた磐井さん。

この磐井さんが反乱を起こした。

 

って言っても、福岡県知事が中央政府と戦うなんてあまりにも無謀すぎる…

そこで磐井さんはなんと、ヤマト政権の敵対国『新羅』と手を組んで反乱を起こした。

 

なんという策士…!

 

策は弄したものの、結局この反乱は鎮圧されてしまう。

それを鎮圧したのが”物部さん”。

物部麁鹿火っていう、もんのすごく難しい名前の人が鎮圧したから、もうとりあえずは物部さんでOK。

この『磐井の乱』を鎮圧したことで、物部さんは一躍、歴史の表舞台に!

(まあ元々表舞台にはいたんやけどね…)

 

大伴金村の失脚

 

悪事は必ずバレる!!

 

ということで、百済との賄賂、見事にバレました。

はい、大伴金村さん、失脚です。

さようなら~

 

賄賂を受け取ってたことに加えて、

任那っていう大事な資源拠点を譲ってしまった失敗をとがめられて、政治の世界からサヨナラバイバイ。

 

大伴さんが失脚したことで、軍事関連に強い一族が一つ消えてしまった。

その穴を埋めるかのように、物部さんが台頭してくる。

『磐井の乱』鎮圧で、一躍スターになったあの物部さん!

 

物部さんが与えられた『姓』も『大連』。

しかも代々軍事関連に強い一族。

大伴さんの失脚のおかげで、目の上のたんこぶが消えたってところかな?

 

失脚する人がいれば、台頭してくる人もいる。

政治って面白いね!

この一件で、ヤマト政権内の勢力図はガラッと変わった。

 

最終的に、任那は一部どころか全部が、『百済』と『新羅』に奪われてしまう。

これでヤマト政権は、朝鮮半島の拠点の全てを失ってしまった…

人間、欲に目がくらむと、ロクなことが起きないね…

 

仏教伝来

 

仏教の伝来って文化史の方やないの?って思うかもしれんけど、

この仏教の伝来をめぐっては、政治的ないざこざ、挙句の果てには戦にまで発展するから、政治史の方で解説する。

人を救済するはずの、世界を平和にするはずの宗教がもとで、戦いが起こるっていうのはなんか皮肉やね…

まあ1500年経った今でも宗教がもとで戦争が起こるんやし、

人類の歴史上、戦争の原因なんてほとんどが宗教か土地やから、人間の性なのかもね…

 

仏教私伝

 

”仏教伝来”って言っても、『私伝』と『公伝』の2種類がある。

『私伝』っていうのは、私的な伝来、つまりある人が個人的に日本に仏教を伝えたってこと。

ある人とは『司馬達等』。

司馬さんは日本にやってきて、飛鳥って土地にある自分の家に仏像を安置した。

それだけ。

 

実際には、「これが仏さんですよ~」とか「仏教とはこうこうこういうもので~」とか、色々広めたんやろうけど、何にせよ、仏教を日本に個人的にもたらしたのがこの『仏教私伝』。

 

仏教公伝

 

一方、『公伝』っていうのは、公的な伝来、つまりヤマト政権に対して、公式に仏教が伝えられたってこと。

百済の『聖明王』っていう王から、『欽明天皇』に仏像と経典が届けられた。

公伝された年は文献によって違う。

『上宮聖徳法王帝説』では538年。

『日本書紀』では552年。

 

……

 

なんというずさんな資料!!

14年もずれるか!?

 

でもまあ、こればっかりはタイムトラベルでもして確かめるしかないから、こういうもんやって思ってほしい。

とりあえずは、そこらへんの年代に、百済の王朝から日本のヤマト政権に公的に仏教が伝わった。

 

蘇我氏 VS 物部氏

そんなこんなで、公的にも私的にも仏教が伝わったわけやけど、

新しいものが入ってくると、当然それをすんなり受け入れられる人と、なかなか受け入れられない人がいる。

 

筆者自身、スマホが登場してもしばらくはガラケーを愛用していた。

買い換えのときですら、ガラケーをあえて選んでた。

日本独自に発展したものに愛着が湧いてたんかな?

 

それと同様、仏の教えを受け入れた一族と、日本古来の神様を祀って仏教を拒んだ一族とで争いが起きた。

 

蘇我氏

 

仏教を受け入れた一族は蘇我氏。

当時の当主は『蘇我稲目』。

稲目ってすごい名前やな。

 

蘇我氏が与えられた『姓』は『大臣』。

これはヤマト政権の成立に貢献した側近に与えられた身分やね。

中でも特に有力やったから、『大臣』が与えられた。

 

蘇我氏が担当したのは政権の財政。

ヤマト政権のおサイフを握ってたから、特に発言力が強かったんやね。

現代の日本でも、霞が関で最も力を持ってるのは財務省。

やっぱり、お金の力は強い。

 

物部氏

 

一方で、仏教を拒んだ一族は物部氏。

『磐井の乱』の鎮圧で一躍スターになって、さらに大伴さんが失脚してくれたお陰で台頭してきた、あの物部さん。

当時の当主は『物部尾輿』。

尾輿って名前もすごいな。

大伴さんに代わって、ヤマト政権内の軍事関連の権力を握った。

 

蘇我氏 VS 物部氏は、分かりやすくいえば、「金 VS 剣」って感じかな。

この対立はやがて戦に発展する。

血みどろの戦い。

  

蘇我氏の独裁

 

仏教を受け入れるか受け入れないかっていう対立が、ついに戦にまで発展した。

 

崇仏派 VS 排仏派。

 

金 VS 剣。

 

当時の当主はそれぞれ、『蘇我馬子』と『物部守屋』。

 

相変わらず、馬子も守屋もすごい名前やな。

この時代のネーミングセンスはどないなってんのや…

 

ちなみにこの戦には蘇我氏側に、『厩戸王』、俗にいう『聖徳太子』が参戦してる。

まだ子どもやったみたいやけどね。

厩戸王は、日本史上初の憲法となる『憲法十七条』にも“仏教を厚く信仰しなさい”的な文言を入れるような人やから、当然、崇仏派の蘇我氏についた。

 

もちろん親戚やからってのもあるやろうけど。

厩戸王の奥さんは、馬子の娘。

馬つながり…やね。

 

まあ余談はそこまでにして、

この戦いで、物部守屋は敗死する。

蘇我さんの大勝利。

 

んでもって馬子は、仏のご加護で勝利できたって思って、お礼に『法興寺』、後の『飛鳥寺』を建てる。

 

殺し合いで勝利したお礼にお寺を建てるて…

それほんまに仏さんは喜んでるんか…?

 

ともかくこの勝利によって、『蘇我馬子』は権力を独占することになる。

唯一のライバルやった物部さんが滅びたからね。

お金の力が勝ったってことかな…?

 

そして権力を欲しいままにした馬子は、ついにとんでもないことをやらかす。

 

崇峻天皇の暗殺

 

ヤマト政権のトップである天皇を、馬子はあろうことか暗殺してしまう。

 

原因は、馬子が権力を手にしたことへの不満を、崇峻天皇がつい漏らしてしまったこと。

 

ある日、献上されたイノシシを見て、「このイノシシの首を切るみたいに、憎いやつの首も切ってやりたい」的なことをつぶやいてしまう。

よっぽど不満がたまったはったんやろうね…

天皇の自分をないがしろにして、権力を握ってるんやもん。

そりゃあ面白くない。

 

でもまあ、”口は災いの元”やね。

なんでか知らんけど、相手に伝わっちゃった。

みなさんも、つぶやきにはご用心を。

 

そんなことを言われて黙って見過ごす馬子さんではありません。

やられる前にやってやれ。

馬子さんは暗殺の刺客を差し向ける。

 

崇峻天皇、在位期間たったの5年…

39年の短い生涯を終えられました…

 

しかも、暗殺に向かわせた『東漢駒』っていう部下もまた、口封じのために殺してしまう始末。

馬子さん、とんでもないやつや…

 

どうでもいいけど、”駒”って名前もすごいよな。

駒にされるべくして生まれてきたような名前やん…

親の顔が見てみたいわ。

 

そんなこんなで、ヤマト政権は蘇我氏の思うがままに操られることとなる。

連合政権やったのに、今や独裁政権。

しかも天皇の独裁やのうて、一臣下の独裁。

仏の教えはどこへやら……

 

まとめ

 

金に物を言わせて権力をほしいままにした蘇我さん一族。

馬子はその権力を背景に、自分の孫を天皇につける。

 

みなさんご存知、『推古天皇』。

 

そして、みんな大好き『厩戸王』、俗にいう『聖徳太子』もついに表舞台に登場する。

 

まあこんだけ蘇我さんを悪人呼ばわりしといてなんやけど、こういうドロドロとした政治的な争い、嫌いやない。

 

それに、実際に見てた人が生きてるわけでもなし、歴史っていうのは勝利した側が常に塗り替えてきたものやから、どこまで正しいかはタイムトラベルしてみないとわからん。

もしかしたら、純粋に仏教を広めようとしてただけの一族やったかもしれんしね。

でもそれを言い出したら、歴史を知るすべが何もなくなってしまうから、

とりあえずは蘇我さんには文献通り、悪人になっていただいて、話を進めていく。

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